近年はデジタル社会になり、スマホやパソコンなどのデジタル機器と切っても切れない生活を送っています。
私も同じです。実際、この記事を書いているのはパソコンですし、SNSを見るのもスマホ、推しの動画を見るのもスマホです。
そんな日々の中で、あなたの目は疲れていませんか?
長時間の間、目を酷使することで眼球の周りの筋肉やピント調整機能が疲労します。
目の疲れをそのままにしていると、頭痛・肩こり・睡眠の質の低下など、全身の不調につながることもあります。
自分でできる対策として、うまく休憩をとることや温めてあげること、また効果的なツボを押してあげることが有効です。
今回は「目の疲れ(眼精疲労)」をテーマに、わかりやすくまとめていきます。

本記事では、鍼灸院 翠〜みどり〜の院長である吉村 粧文が、日々さまざまな患者様と関わっていく中で得た知見をもとに、日常生活でもみなさまに役立つ身体のケアの情報を発信しています。
眼精疲労とは?
「目の疲れ=眼精疲労」ではありません。
たとえば、たくさん目を使ったあとに一時的な疲労感が出るのは、いわゆる“目の疲れ”です。
一方で、十分に休息を取ってもスッキリしない、疲れが抜けない状態が続くものを、一般的に「眼精疲労」と呼びます。
それでは眼が疲労するとどんな症状が出るのでしょうか?みていきます。
眼の疲れの症状
まずは直接、眼に影響する症状には以下があります。
- 目の痛み
- ピントが合わない
- まぶたが重い(下がる感じ)
- かすむ
- ドライアイ
次に、眼の疲労が全身の症状になる場合もございます。
- 頭痛
- 肩こり
- 疲労感
- 不眠
- 胃腸の不調

症状が強い・長引く場合は、眼科でのチェックがおすすめです(視力やドライアイ、矯正の問題が隠れていることがあります)。
目の疲れのメカニズム
以下の3つの観点から眼精疲労になってしまう原因をお伝えします。
- ピント調節の疲労
- 目を動かす筋肉の疲労
- 「動かない」弊害
① ピント調節の疲労(毛様体筋)
長時間目を酷使すると、レンズ(水晶体)の厚さを調整する毛様体筋が疲労します。
毛様体筋が疲れるとピント調節がうまくできなくなり、近くで作業したあとに遠くを見るとぼやける…といった状態が起こりやすくなります。
また毛様体筋は、自分の意思で動かす筋肉ではなく、状況に合わせて自動で調節してくれる仕組みです。
この自動調節には自律神経が関わるため、長時間の目の酷使は自律神経の乱れにつながる要因になることもあります。
② 目を動かす筋肉の疲労(動眼筋)
筋肉は使い続けるとエネルギーを消費し、疲労物質が溜まりやすくなります。
眼球を動かす動眼筋も同じで、画面を長時間見続けるほど疲労しやすくなります。
③「動かない」弊害
目を使う環境は、座ったまま・同じ姿勢のままになりやすいです。
その結果、血流が滞りやすく、首肩のこりや頭痛など、さまざまな不調につながることがあります。
近年はリモートワークの定着により、通勤や移動で自然に入っていた休憩が減り、自宅で同じ姿勢のまま長時間パソコンを見続けるケースが増えました。
その結果、眼精疲労は「視力の問題」だけでなく、**生活習慣(画面時間・姿勢・瞬きの減少・休憩不足)と結びついた“現代型の不調”**として、より身近なものになっています。
なぜ現代に眼精疲労が多いのか
眼精疲労は、もともと昔からある症状ではあります。
ただし以前は、合わないメガネ、視力(屈折)の問題、加齢による調節力の低下、照明環境などが主な要因で、どちらかというと“個別の問題”として扱われることが多いものでした。
しかし、デジタル機器の普及により、**「長時間・近距離・凝視」**が日常化。眼精疲労は一気に身近な不調として広がっていきます。
1)〜デジタル以前:原因は「矯正」や「生活環境」
紙の読書や手作業でも目は疲れますが、当時は「メガネが合っていない」「視力矯正が不十分」「照明が暗い」といった要因が中心で、社会全体で“国民病”と呼ばれるほどではありませんでした。
2)1980年代〜:OA化(VDT時代の始まり)
1980年代以降、事務仕事のOA化(オフィスオートメーション)が進み、端末画面を見続ける作業が増えていきます。パソコンなどの普及に伴い、眼精疲労を含む不調が徐々に注目されるようになりました。
3)1990年代後半〜2000年代:職場でのパソコン常用が当たり前に
1990年代後半には職場にパソコンが本格導入され、画面を見ながら作業する時間が増加。長時間作業で症状を訴える人が増え、「目の疲れ」は代表的な自覚症状として意識されるようになります。
4)2010年以降:スマホ普及で「仕事以外」でも増える
2010年以降はスマートフォンが急速に普及し、家庭でも移動中でも、短い距離で小さな画面を見続ける時間が増えました。
この頃から、近くを見続ける負担や長時間視聴による眼精疲労が、さらに身近な問題として語られるようになります。
5)2019年以降:働き方の変化(在宅・多画面)
技術の進化に加え、作業環境も変化しました。タブレットやスマホ、複数の画面を使う場面も増え、目を酷使しやすい条件が整っていきます。
現代では、リモートワークの普及などでもより身近で多くの人が経験する症状の1つとなっているのです。
眼精疲労のセルフチェック
ここでは眼精疲労かどうかセルフチェックできるリストを用意しました。
次の項目にいくつ当てはまりますか?
3つ以上当てはまる方は、目がかなり頑張っているサインかもしれません。
- 夕方になると目が重い・しょぼしょぼする
- 画面を見ていると、目が痛い/奥がズーンとする
- 近くを見たあと、遠くにピントが合いにくい
- 文字がかすむ、ぼやける(とくに夕方)
- 目が乾く、充血しやすい、涙が出る
- まぶたが重い/目が開けづらい感じがある
- 頭痛(こめかみ・おでこ)が出やすい
- 首・肩こりが強い、背中まで張る
- 集中力が落ちる、イライラする
- 寝つきが悪い/眠りが浅い
- 胃腸の調子が落ちる、疲労感が抜けない

痛みが強い、視力の急な低下、片目だけ強い症状、目の充血が長引くなどがある場合は、念のため眼科受診もおすすめです。
ツボで眼精疲労対策
ここからはセルフケアとして取り入れやすいツボを3つ紹介します。
基本は 「痛気持ちいい」強さで、ゆっくり呼吸しながら がコツです。
① 合谷(ごうこく)

場所: 手の甲側。親指と人差し指の骨が交わるあたりのくぼみ(少し人差し指寄り)。
押し方: 反対の親指で、5秒押して→離すを 5〜10回。
ポイント: 目だけでなく、頭・首肩の緊張にも使いやすい万能ツボです。
② 攅竹(さんちく)

場所: 眉頭(まゆげの内側の端)のくぼみ。左右にあります。
押し方: 両手の親指(または人差し指)で、上に持ち上げるように 3〜5秒×5回。
ポイント: 目の奥のだるさ、眉間の緊張が強い人におすすめ。
※強く押しすぎないように(骨の際をやさしく)。
③ 太陽(たいよう)

場所: こめかみの少し外側、目尻と耳の間のくぼみ(左右)。
押し方: 指の腹で軽く当てて、ゆっくり円を描くように20〜30秒。これを2セット。
ポイント: 画面を見たあとに出る頭痛、こめかみの張りがある方に向きます。
ツボ押しのおすすめタイミング
- 仕事・家事の合間(休憩のついでに)
- 入浴後(血流が良いタイミング)
- 寝る前(リラックス目的で)
このタイミングで実践してもらうことで効果を高めることができます!
今日からできる眼精疲労対策
最後にツボ押し以外でも、日常生活で取り入れられる眼精疲労対策をご紹介していきます。
① 20-20-20 ルール
20分に1回、20秒、6m先(20フィート)を見る というシンプルな習慣 1)です。
目のピント調節をいったんリセットでき、疲れの蓄積を減らしやすくなります。
② まばたき・ドライ対策
画面に集中すると、無意識にまばたきが減りがちです。
意識して 「ゆっくり5回まばたき」 を入れてみてください。
乾きが強い方は、加湿や目薬(必要に応じて)も有効です。
③ ホットケア(温める)
目のまわりを温めると血流がよくなり、こわばりがゆるみます。
- 蒸しタオル
- ホットアイマスク
- 目の周り〜こめかみを軽くマッサージ
おすすめは 5〜10分。寝る前が特に相性◎です。
④ 姿勢を整える(首肩がラクになるだけで目もラク)
目の疲れは、首肩の緊張とセットになりやすいです。
- 画面は目線より少し下
- 肘は90度くらい
- 肩をすくめない
- 背中を丸めすぎない
「目の問題」だけに見えて、実は 首肩の硬さが原因で悪化している ことも少なくありません。
⑤ 頭皮マッサージ(自律神経のケアにも)
頭皮が硬い方は、目の疲れが抜けにくい傾向があります。
指の腹で、頭頂部〜側頭部(こめかみ上)をゆっくり揉む だけでもOK。
痛いほど強くせず、気持ちいい圧で行いましょう。
終わりに
眼精疲労は、現代の生活と切り離せない不調です。
目の疲れを放っておくと、頭痛や肩こり、睡眠の質の低下など、全身の不調につながることもあります。
まずは
休憩、温める、ツボ押し
この3つから、できるものを1つだけでも取り入れてみてください。
それでも「疲れが抜けない」「症状が強い」「首肩もつらい」という方は、体全体の緊張や血流、自律神経のバランスが関係している可能性もあります。
当院では、目の症状だけでなく、首肩・頭部のこわばりまで含めて整える視点でサポートしています。
気になる方はお気軽にご相談ください。
出典一覧
- 1) 「20-20-20 rule and digital eye strain」(American Optometric Association (AOA))(https://www.aoa.org/AOA/Images/Patients/Eye%20Conditions/20-20-20-rule.pdf)