投げるという動作をする上で、肘や肩にかかる負担はとても大きいものになります。ケガや痛みが発症すると投げるということ自体ができなくなってしまい、競技人生に大きな影響を与えます。スポーツをする中で身体のケア、特にストレッチやトレーニングと向き合うことは競技人生を長くし、また自身のパフォーマンスを発揮するための大切な1つです。
野球肘は単に「投げすぎ」という事だけが原因ではありません!それにはフォームが悪いなどの直接的な要因と練習環境や内容による間接的な要因などが複数関係していることもあります。
また肘の内側が痛い時と、外側が痛い時の原因と症状は別のものになっていきます。自身の身体の状態に対して正しく対処することでケガを予防できたり、最小限に防ぐことができます!
目次
肘の内側や外側に症状が出るなど野球肘にも種類がある!
そもそも野球肘とはどんなものなのでしょうか。
野球肘とは投球障害の1つで肘にかかる負担が蓄積し、骨、軟骨、靭帯、筋などが損傷を負った状態をまとめて「野球肘」といいます。
ということは、痛みは肘に生じていますがどの部分が傷ついているのか・何が原因になっているかは様々あるということです。
野球肘になりやすい肘の部位
それでは野球肘の原因になりえる部分にはどんな役割を持った部位があるのでしょうか。
以下に示しているように、肘には肘を構成するための骨・肘を安定させるための靭帯・そして肘を動かすための筋肉とそれぞれの部位が役割を持って成り立っています。

肘を構成する骨
上腕骨(じょうわんこつ)
肩から肘までの長い骨
橈骨(とうこつ)
肘から手首までの骨(親指側)
尺骨(しゃっこつ)
肘から手首までの骨(小指側)

肘を安定させる靭帯
内側側副靭帯(うちがわがいそくじんたい)
外側側副靭帯(そとがわがいそくじんたい)

肘を動かす筋肉
【肘を曲げる・前腕を内に回す筋肉】
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
腕橈骨筋(わんとうこつきん)
円回内筋(えんかいないきん)
【肘を伸ばす・前腕を外に回す筋肉】
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
回外筋(かいがいきん)

これらの1つまたは複数の箇所を損傷してしまうことでその影響として、肘に痛みが生じボールを思ったように投げられなくなってしまうのです。
野球肘を引き起こしてしまう原因は?
野球肘の痛めてしまう部位について解説しましたが、その原因にはどのようなことが考えられるでしょうか。
野球肘は主に投球動作によって特定の部位に負担がかかり続けることで起こります。
ただその原因は単純に「投げすぎ」という事だけではなく、直接的な要因と間接的な要因があります。
自分がどんな原因で野球肘になってしまったのか、またはどんなことが原因で野球肘になり得るのかを知ることでその対策が考えられるようになります。
ここでは代表的な直接的、間接的な要因を示しています。
直接的な要因
主に自身の身体の状態やその身体の動かし方による原因です。
- 筋力不足
- 筋力のバランス
- 筋肉の柔軟性
- 肘や肩の関節可動域制限
- フォームが悪い
間接的な要因
主に自分の外側にある状況や自身の身体にかかる負荷の量による原因です。
- 道具
- 練習内容(時間、頻度)
- 環境(季節、地面の性質)
その他に痛みの出る場所によっても特徴的な原因があります。

この様に様々な悪条件と投げすぎが重なる事で野球肘のリスクは上がってしまうのです。
内側?外側?それとも後方?痛みのタイプ別の症状とは?
どんな状態になるの?
野球肘には大きく分けて「内側型」、「外側型」、「後方型」の3つのパターンがあります! どのパターンなのかによって肘に起きている状態が異なります。
1.『内側型』
症状
上腕骨内側上顆炎、内側側副靭帯損傷、剥離骨折など
痛みの出やすいタイミング
投球中ではトップの位置から加速していく時
日常的にはコップを持つ時や肘を伸ばす時に痛みを感じやすい。
原因
投球時に肘が外向きに曲がろうとする力(外反力)がかかります。 その際に肘の内側の筋肉や靭帯は伸ばされるストレスがかかり、その負担が繰り返される事が原因になります。
2.『外側型』
症状
離断性骨軟骨炎
痛みの出るタイミング
遊離(ゆうり)した軟骨が関節内に入りこんだ際に強い痛みを感じやすい。
初期の場合は投球時でも違和感や張り感は殆ど感じない。
将来的に変形性肘関節症になるリスクがあります。
原因
投球時に内側とは逆に外側には圧迫されるストレスがかかります。
その際小さな傷ができ繰り返される事でその部分の骨軟骨が部分的に欠けてしまう事が原因です。
3.『後方型』
症状
インピンジメント症候群、上腕三頭筋腱炎、疲労骨折
痛みの出やすいタイミング
投球時ではフォロースルーの際に痛みを感じやすい。
原因
フォロースルー時には肘に反り返る(伸展)力が加わります。
その際に肘の後ろの関節部分で骨同士がぶつかり合う事が原因となります。
野球肘を予防するためのストレッチとトレーニングをしよう!
自分の野球肘の原因を踏まえて今回は肘周りの筋肉のストレッチとトレーニングに注目しての予防法をご紹介します。
肘周りの筋肉をケアするためのストレッチ
1.腕の前側の筋肉のストレッチ
ステップ1 正座をします。
ステップ2 手のひらを地面にべったりくっ付けます。(指は自分の方に向くように)
ステップ3 手は地面に固定したまま上体を後ろに引いてくる。
2.手首を内に回す筋肉のストレッチ
ステップ1 肘を曲げます。
ステップ2 肘に出来た線上を内側の骨にあたる場所まで追いかけます。
ステップ3 骨から親指の方向に少し降りたポイントに指を当てます。
ステップ4 ポイントを痛気持ちいい程度に押しながら手首を内に回すように腕全体を内側に捻ります。
3.腕を伸ばす筋肉のストレッチ
ステップ1 肘を曲げ、肘を頭の高さまで上げます。
ステップ2 上げた肘を反対の手でつかみます。
ステップ3 つかんだ方の手の方向に肘を引いていきます。
4.肘の外側の筋肉のストレッチ
ステップ1 手のひらを上に向ける真っすぐ前に伸ばす。
ステップ2 反対の手で伸ばしたい方の手の親指をつかむ。
ステップ3 つかんだ手で親指を自身の身体の方に引いてくる。
自分で行える肘周りの筋肉のトレーニング
1.モノを握る筋肉
ステップ1 台の上に手の平を上にして肘から手平までべたっとつける。
ステップ2 手にボールを握る。
ステップ3 薬指と小指でボールを握るその際にほかの指は出来るだけ脱力しておく。
2.手首を起こす筋肉
ステップ1 台の上に手の平を上にして肘から手までべたっとつける。
ステップ2 ダンベルを握る、 なるべく薬指と小指に力を入れる。
(ダンベルがない場合はペットボトルに水を入れるなどして代用します。その際重さは10キロを目安にします。)
ステップ3 手首を起こし、手首の力だけでダンベルを持ち上げる。
3.肘の裏の筋肉
ステップ1 上向きに寝る。
ステップ2 ダンベルを持ち鍛えたい方の腕を真っすぐにし90°起こす。
ステップ3 上げた所から肘を支点に腕を曲げる。
ステップ4 その位置と角度を保ちながら肘を曲げ伸ばしする。
野球肘に対して鍼灸院 翠〜みどり〜にできる事
当院ではすでに野球肘でお困りの方の「治療」から、発症しない為の「予防(ケア)」を併せて行います。
1人1人のお身体の状態を細かく確認し、原因を見つけ出しその方にあわせた施術を行います。
「鍼治療」
鍼治療には傷ついた組織の修復を促したり鎮痛作用があります。
又、張り感の強い箇所の筋肉の緊張の緩和に効果が期待できます!
「ストレッチ」
柔軟性の低下した筋肉を対象にしたストレッチを行います
投球の妨げを無くし肘への負担を軽減する目的があります。
「可動域改善」
可動域が悪くなった箇所を対象にして行います。
可動域を改善する事での投球動作を改善する目的があります。
「トレーニング」
筋力不足の筋肉を対象にして行います。
筋力不足による関節への負担を軽減する目的があります。
気になることが少しでもあればぜひご相談してください。ご予約・ご相談方法は電話・公式LINE・お問合せからご連絡いただけます。
野球肘|最後に
私自身小学2年生から高校3年生まで野球をしてきました。
肘や肩のケガをして満足にプレーが出来ないまま高校野球を終えました。
今思えば自分に当てはまる事が多く、防げたケガである事を考えると少し後悔が残ります。
現在野球を続けている特に小中高生には少ない学生野球の時間を有意義にプレーして欲しいと思います!
他の記事でも野球に関して治療やケア、トレーニングなどの視点から少しでも参考になればという記事をあげています。よろしければぜひ読んでみてください。